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我が家の軌跡(奇跡)【10】

2018年5月10日 (木)

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想像していた以上に立派な造りの家に大喜び、しかも広々とした庭が気に入ったようだ。

隣は電機会社の社長の家で、天理教に凝っていたので、教祖様が来られた時に泊まって頂く為にわざわざ二部屋(十畳、八畳)、離れ座敷として造った部屋なので、木、柱、床の間が凝った造りになっていた。母屋とは廊下のドア1つで仕切られていたが、勿論そのドアは釘付けされた。

父が退院したので、謙二兄にお礼の意味もあって招待した。
祖父も佐渡より来て、新居の祝いの膳に、飲むほどにお互い口も軽くなった時、祖父は謙二兄に「1つ文句がある。」と切り出した。
何事かと思っていたら「お前さんがいらん事してくれたから有り難迷惑だ」と言い出した。
謙二兄は初めポカンとしていたが、その内、顔を真っ赤にして怒り出し、「忙しいのにオレは誰の為に今まで一生懸命になって家探しを和子と何十軒と歩き回ったのか、そんな言い草はないだろう。」と、祖父の白髪頭をバチッと叩いて帰ってしまった。
呆気に取られていた父と母は、謙二兄に申し訳なく、父は祖父に集中攻撃した揚げ句、怒り出し、「兄貴は仕事も放り出して和子とあっちこっち2ヶ月もかかって探してくれたのに、その苦労も知らず何と言う事を言うか。
いくら親でも許す事は出来ない。良く考えて明日にでも兄貴の所へ謝りに行って来い。」と怒鳴りつけたまま口を利かなかった。

翌日祖父はお酒を一本ぶら下げて謙二兄の所へ謝りに行き、五時間位居て、お酒を呑んで帰って来て、父にも謝っていた。

母が思うには、九州から一足先に帰る時、お前達の住む家を確保して置くからと約束して帰ったのに、お金の工面が立たず、なんの用意も出来ずに植田屋の一室を仮住まいとしたことが余程こたえていたのだと思う。
仏のように人に文句も言わず、争う事の嫌いな父なのに、その父が、義兄に文句の百も言いたかったろうに、その言葉を酔った勢いで、謙二兄にブッつけたのだろうと、後々感じたそうだが、その時は母も、お世話になった兄さんになんて事をと、父と一緒になって詰め寄ったのである。
その事を、謝るきっかけもなく過ぎ去ったと悔やんでいた。

つづく


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